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遥か昔、世界を作ったがいた


​否

全てが終ってしまった空白に、いずれと呼ばれる者だけがいた


彼は自身のことについて何も知らなかったが
いつかどこかの世界の美しい情景と
ありとあらゆる願いを叶える力を持っていた

欲すら分からない彼に願いは無かった
しかし、彼はある時
『美しい世界』を自分の目で見てみたくなったのだ

1つ、また1つと自らの力を使い
白紙になった世界に色を加えていった

 


けれども、彼が『美しい世界』を見ることは無かった

 


力は有限で、相応の代償が伴う

彼の最後の力を求めた者たちによって争いが生まれ
世界は醜く変貌していった

 

はもういない

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