遥か昔、世界を作った神がいた
否
全てが終ってしまった空白に、いずれ神と呼ばれる者だけがいた
彼は自身のことについて何も知らなかったが
いつかどこかの世界の美しい情景と
ありとあらゆる願いを叶える力を持っていた
欲すら分からない彼に願いは無かった
しかし、彼はある時
『美しい世界』を自分の目で見てみたくなったのだ
1つ、また1つと自らの力を使い
白紙になった世界に色を加えていった
けれども、彼が『美しい世界』を見ることは無かった
力は有限で、相応の代償が伴う
彼の最後の力を求めた者たちによって争いが生まれ
世界は醜く変貌していった
神はもういない